スノーボードのビンディング選び
ビンディング選びによって板への力の伝わり方が変わる?
ブーツとスノーボードの板を結びつける重要なパーツ。
呼び方は2種類あり、英語表記は“binding”で『ビンディング』or『バインディング』と呼ばれる。
時代が進むにつれて巨大化してくるセクションにも耐えられる衝撃吸収性、取り回しの良さを追求した軽量化、より動きのロスを無くすためのフィッティング力。
自らが生み出した力を上手く板に力が伝えるためにはビンディング選びが重要なカギを握ります。
日々技術革新が進んでいくビンディングの選ぶ時のコツと、基本知識を抑えておきましょう!

ビンディングの種類
ストラップ型ビンディング
オーソドックスな形がこの、ストラップ型ビンディング。
多くのモデルがこの形を採用しているので種類豊富な中から選ぶことができ、トゥストラップとアンクルストラップが分かれているのでつま先と足首の部分をしっかりとホールドすることができフィッティング感は素晴らしい。
デメリットはビンディングの着脱が面倒くさいという点が挙げられ、着脱に慣れてしまえば立ったまま装着することができるが、慣れないうちは座って付けなればいけないのでいちいちお尻が冷たい。
クイックエントリー型ビンディング
クイックエントリーのメリットはやはり着脱の早さで、ワンタッチで着脱が可能。
慣れてしまえば、リフトから降りてから着脱するスペースに行くまでの間に装着することができます。
デメリットはストラップ型に比べると種類が少なく、自分が気に入ったデザインがない場合があります。
アルペン用ビンディング
フリースタイルではなく、スピードを追求するスノーボードアルペン用のビンディング。
ブーツはフリースタイル用の柔らかいものではなく、スキーブーツような硬いブーツ用に作られているのでハイバックやストラップが無いのが特徴。
ビンディングを構成している部品
ラチェット
ストラップについている金具状の器具。ブーツをビンディングに固定する際に、カチカチと締めるために使われます。
アンクルストラップ
足首を固定するストラップのこと、足の甲にかかる。長さの調節をすることができるので、自分の足の大きさに合う長さに調節しましょう。
トゥストラップ
足のつま先側を固定するストラップのこと。
技術が進化している昨今、FLUX(フラックス)はT.M.S(トゥーマスクストラップ)、バートンの「キャップストラップ」などのストラップ技術が開発されています。
T.M.Sで説明すると、つま先全体を包むような構造になっているので、ホールド力が増し、ボードの操作性が格段にアップします。
また従来のストラップのように、足の甲だけを締め付ける訳ではないので、締め付けのストレスから解放され、長時間のライディングも快適に行うことができます。
ハイバック
ハイバックの役割は、バックサイドターンなど踵(かかと)に加重する際のサポート役です。このハイバックがあるとないとでは全く操作性が違います。
このハイバックの各モデルの違いとしては、高さと硬さがあり一般的に高く硬いハイバックだと反応が良く高速滑走時の繊細なエッジコントロールをしたい上級者に向いています。
一方で低く柔らかいと取り回しやすくスタイルが出しやすく、反応が少し遅くなってしまうのがデメリットです。
ハイバック調節機構
ハイバックの前傾角度を調節することができます。
ビンディングにブーツを装着した時に、ブーツとハイバックの間に隙間ができないように調節しましょう。
仮に隙間ができていると、ヒール側のエッジングの時に反応が遅れてしまいます。
ヒールカップ
ブーツを装着した時に、ヒール部分が収まる場所。
前後に長さを調節することが可能で、ブーツの大きさに合わせて調節できます。
ベースプレート
ベースプレートは、ビンディングの土台となっているもので、衝撃吸収のために日々進化しているパーツです。
板とビンディングを付ける方法
4×4(フォーバイフォー)
各ブランドがリリースしているスノーボードの板には、インサートホールというビンディングを固定するための穴が空いているので下写真のビンディングに付属で付いているセンターディスクに4本のビスを刺してビンディングを取り付けます。
EST
バートン社が独自で開発しているESTというシステムは下記の写真を見てもらえれば分かるように、板にインサートホールが空いている訳ではなく一本の溝が掘られています。
この溝の沿ってスタンス幅を自由に決めることができます。
下記写真のような形でビンディングのベースプレートの横にネジを締める為の穴が空いており、この部分と板にある溝とを締めることによって板とビンディングを固定することができます。
スタンス幅の設定
まずはスタンス幅の定義から。
ノーズ側にセットされているビンディングのセンターディスクの真ん中からテール側にセットされているビンディングのセンターディスクの真ん中の距離をスタンス幅と定義します。
当たり前といえば当たり前。
ESTの場合はセンターディスクがないので、ベースプレートの丁度真ん中から反対のそれまでという計り方をすれば良いでしょう。
狭めのスタンス幅
・メリット
スタンスを広くすると板の取り回しが軽くなるので、ジブやグラトリがやりやすくなります。
またプレス系のトリックもノーズとテールに加重しやすくなるので、ジブやトリック、キッカーなどを極めていきたい人は広めにすると調子が良いと思います。
・デメリット
膝のクッションを上手く使うことが難しくなるので、膝を痛める可能性が大きくなってきます。
コブ有の斜面などはかなり滑りにくいです。
適度に膝が曲がる程度の広さにするのがベスト。
アングルの設定
※下記の画像では左側が進行方向のレギュラースタンスでの説明になります。
ノーマルスタンス
クロスなどのスピードを競うスタイルのスノーボードの場合はこのノーマルスタンスが一般的。
ノーズ18°、テール3°といったように、ノーズ側もテール側も進行方向にアングルが傾いており、ビンディングを履いた自然の状態が既に滑りやすい姿勢になっています。
メインスタンスでは、物凄く滑りやすいが一方でスイッチになると言わずとも想像がつきますがめちゃめちゃ滑りにくいです。
ダッグスタンス
ダッグスタンスとは、ノーズ側はプラスの角度テール側の角度をマイナスの角度にするアングル設定を呼ぶ。
実際に板を履いた時にまるでアヒルの足のようながに股になることからこの名前がついています。
ダッグスタンスのメリットといえば、なんといってもスイッチになった時に滑りやすいということ。
通常はノーズ9°、テール-9°が一般的で、そこを基準に自分の滑りやすいダッグスタンスのアングル探していくのが良いと思います。